今回は、プレナビ99回目投稿記事です。100回目の投稿も間もなくです。
さて、今回は、最近のダラス近郊へやって来る巨大企業についてお伝えします。
登場する企業は、JPモルガンチェース、ファニーメイ、フレディマック、マクラーレン、リバティミューチュアル、トヨタなど。分かりやすい様に、地図にしました。プレイノとフリスコの間の交差するエリアが企業では非常に熱いエリアとなっています。「レガシーエリア」です。
★NYマンハッタンからプレイノへ:JPモルガンチェース
2019.10.28最新情報
写真:プレイノにやって来た、JPモルガンチェース(キャンパス)より
近年は、NYにある大手金融機関が低コストで商業ハブ(中心地)のためにNYから少しづつ移転しているようです。
・ドイツ銀行は、フロリダ州ジャクソンビルで事業を、
・ゴールドマンサックスはソルトレークシティに役員を設置、
・AllianceBernstein Holding LPは、本社をテネシー州ナッシュビルに移転する計画。
今までのNYから離れる大手企業が増えています。これからもその流れは加速すると考えています。
その中でも、巨大な投資銀行、JPモルガンチェースはNYの高コスト体質の会社はテキサス郊外(プレイノ)など地方の低いコストへ引越しすることで、コストを下げ、次の景気後退への準備を進めているよう です。狙いはそれだけではないでしょう。
新しいプレイノ本社はマンハッタンのオフィスの2倍の従業員を収容する予定で、数百人の従業員がすでにテキサスに異動しているとのこと。NYマンハッタンでの仕事がテキサスに移動する傾向です。
JPモルガンチェイスはダラス郊外のプレイノに追加の4,000人の従業員を収容できる新しい建物も静かに建設し、すでにテキサスに2,500人の従業員がいます。
引越しの理由は、様々ですが、次回の不況が発生した場合、銀行は金融嵐を乗り切るために低コストのハブに事業を移す明確な選択肢を持っているようです。
そして、プレイノが次の本社になる可能性があると述べました。「テキサスには、ニューヨーク以外のどの州よりも多くのJPモルガン・チェースの従業員がいまして、まもなく1位になると思います。」とJPモルガンの上層部は言いました。
「ロケーション変更は単にコストだけに関するものではありません…クライアントにより良いサービスを提供するためなどの理由も」
NYで会社を経営するためのコストは、過去10年間で急騰し、NY市内の規制と税金は国内で最も高いものの一部です。
次の景気後退の前に銀行を合理化するための対応です。この様に、ビジネスの次の大きなトレンドについては、ウォール街の銀行はすでに全国の低コストの金融ハブへのNYからの出口計画を立てています。
テキサスは安価な住宅提供と所得税が無いことから、テキサス州は労働者に人気があり、低い法人税と規制が少なく、大規模な雇用主の移転を可能にします。
JPモルガンは2016年にプレイノ市と契約を結び、なんと490万ドルの経済的助成金と一時的な減税と引き換えに4,800人の従業員をプレイノへ移しました。
銀行も、NYの高コストや税金に対する不満により、銀行が従業員を他の州に移動できることを示し、JPモルガンの従業員は引っ越しの特典があり、
NYマンハッタンでは、1Mほどで、皮肉にも、オープンキッチン、窓のないバスルーム、共用のルーフデッキを備えた狭い、約700平方フィートの1ベッドルーム(アパートメント)です。
下のコンドは$1.05M・1ベッド・1バス・建物面積726 sqft (写真は1室と外観)
一方、同じ値段で、
テキサス州ダラスのプレイノでは、5ベッドルーム、6バスルームの一戸建てで、ワインが400本入るワインルーム、暖炉のある屋根付きパティオ、プールとスパを備えた5500平方フィートの家を同じ価格で入手できます。
下の物件は上記マンハッタンと同じ価格の1.05Mです。(プレイノ・5ベッド・6バス・建物面積5,684 sqft)
同じ$1.05Mでも、NYとプレイノではスゴイ違いですよね。笑
この様に、従業員と会社はNYからプレイノへ引越しするだけで、様々なボーナスの享受があります。
ここまで豪華な家はなかなか駐在のサラリーマンには難しいですが、、、、(現実的に半分の50~70万ドル前後など)
この様に、トヨタが税金面、社員のクオリティライフ向上と仰っているのと近いところがあります。
「生活の質の観点から、ビジネスと従業員の視点の両方ですべての主要都市を見ました。北米でトヨタの歴史の次の章を始めるのにテキサスに勝る場所はなく、私たちは一緒に未来に興奮しています。
byジムレンツCEO、北米トヨタ自動車
★ファニー・メイもプレイノへ!
①ファニーメイ、別名、連邦住宅抵当公庫( Federal National Mortgage Association, FNMA)は、アメリカの金融機関。
ファニー・メイ(Fannie Mae)は、必ず類似で登場する②フレディマックという企業もあるが、ほぼ同様の業務を行っています。
実は、フレディマックもプレイノのお隣街(キャロルトン)に支店がある。
①ファニーメイ、②フレディマックともに日本で言うとフラット35(住宅金融支援機構)みたいなイメージです。
①ファニーメイは1938年、アメリカ国内の住宅供給の安定化を目的とした特殊法人(GSE 政府援助法人)として設立。
アメリカ国民へ不動産融資をしやすくし、マイホーム保有を促進するのが目的だった。 当初は政府系金融機関であったが、1968年に民営化され、ニューヨーク市場等に上場。
主要な業務は、民間金融機関に対する住宅ローン債権の保障業務。サブプライムローン問題が問題化するまでは、ファニー・メイ発行の証券は政府機関債と見做され、米国債に次ぐ高い信用力を保っていた。
ファニーメイはワシントンDCに本社を置き、バージニア、プレイノ、アトランタ、シカゴ、ロサンゼルス、フィラデルフィア、メリーランド、マサチューセッツ、ニューヨーク、カリフォルニアに地域事務所を運営しています。
以下、ファニーメイのサイトQ&Aより引用(日本語訳)
Q1:ファニーメイはどこに移動したのですか?
A1.ファニーメイは、テキサス州プレイノにあるビル、「グラナイトパークVII」の建物内のオフィススペースの15年間の商業リースを実施しました。(話題のレガシーウェストから少し行ったところです)
ファニーメイは、家主が提供する競争力のある価格条件、スペース効率、ニーズが変化した場合の柔軟なリース条件など、いくつかの理由でこの場所を選択しました。
ファニーメイはまた、不動産の家主と有利で柔軟なリース条件を交渉しました。同社は、短期リースに関連する初期費用の増加を回避するために15年間のリースを開始しました。
Q2:ファニーメイがダラスのオフィスに移動する理由は何ですか?
A2:ファニーメイは現在、ダラスノーストールウェイに沿って3マイル以内にある3つの賃貸物件の一部を占有しています。
これにより、同社は現在のダラスの施設にとどまるか、1つの統合された施設に移動するかを検討するようになりました。
広範なレビューと分析の後、ファニーメイは2017年末近くにテキサス州プレイノの1つのリース施設に移動することを決定しました。
1つの場所に移動すると、より効率的な作業環境を提供し、サービスを統合し、 全体の面積を100,000平方フィート以上削減します。
ファニーメイは、現在リースされているスペースと比較して、新しいスペースで占める面積が大幅に少なくなります。約450,000平方フィートの占有スペースから、Granite Park VIIの場所の約330,000平方フィートになります。
Q3:ファニーメイがダラスでこの様な大きな組織を持っているのはなぜですか?
A3:ファニーメイの国家融資サービスとREO関連の機能は主にダラスにあり、その地域での同社の事業全体の大部分を占めています。
米国の住宅および金融危機により、何百万人もの住宅所有者が差し押さえの緊急のリスクにさらされたとき、ファニーメイは、市場をサポートするためにダラスの事業を大幅に拡大することで対応しました。
引用元:
◆ファニーメイ
Granite Park VII 5600 Granite Pkwy
Plano, TX 75024
◆フレディマック
Dallas, Texas キャロルトン支店(メインはバージニア州)
5000 Plano Parkway Carrollton, TX 75010-4902
(972) 395-4000
★NYマンハッタンから北ダラスのコッペルへ:マクラーレン社
イギリスの高級スポーツ自動車メーカーであるマクラーレン・アメリカは、本社(高層ビル24階)をマンハッタンのミッドタウンからダラスのコッペルに移転します。
DFW空港近くのコッペルです。マクラーレンというと、F1のアイルトン・セナでご存知の方も多いと思います。
マクラーレン社:「私たちが成長し拡大するにつれて、(NYマンハッタン)という街にいることはあまり実用的ではなく、あまり意味をなさないことが明らかになりました」と語った。
マクラーレンは、マンハッタンの4,500平方フィートのオフィスから、テキサス州ダラスのコッペルにある30,000平方フィートのオフィスに移動します。約6倍の広さです。これは、自動車メーカーがニューヨークのスペースに支払う費用よりも大幅に安くなります。
マクラーレンは2011年後半に手製のスーパーカーの米国での販売を開始し、北米はすぐにブランド最大のグローバル市場になりました。
昨年、アメリカでは自動車メーカーの4,806の世界の33%を占めました。アメリカは、マクラーレンにとってとても大きな市場で、ダラスの場所を含む9つの米国のディーラーで立ち上げました。
2013年、自動車メーカーがまだ小売業の存在感を高めていたとき、ダラスの場所は世界のどのマクラーレンよりも多く販売されていたようです。
「全体として、アメリカはかなり大きな市場です」
ダラスに移転し、マクラーレンは従業員を年末までにテキサスの一時的なオフィスで勤務させ、2月までに建物の改修を完了する予定。ほとんどの従業員がニューヨークから移行することを期待していると述べた。
別の自動車メーカー本社の動き工業団地への移転により、マクラーレンは広大なのスペースを確保します。特注プログラムであるマクラーレンスペシャルオペレーションを通じて、自動車メーカーは顧客が自分の車を設計できるようにします。
そのためには、イギリスのウォーキングにあるマクラーレンのグローバル本社への出張が必要になることがよくあります。
PS:飛行機の便を調べたら、イギリスーテキサスのダラス(DFW空港)間で直行便の飛行機が数時間おきに飛んでいる。
マクラーレン社:「理想的には、特注をしている顧客に英国に行ってもらいたいのですが、それは常に現実的ではありません。したがって、現場で提供します。
ダラスへの出入りが本当に簡単になります。建物はダラス/フォートワース国際空港から約3マイルのところ(コッペル市)にあり、アメリカでのマクラーレンの規模は他の自動車メーカーに比べてほんのわずかですが、州の境界線を越えて企業オフィスを移動する最新のブランドであり、マクラーレンは、巨大自動車企業である北米トヨタに続きダラス地域を選択しました。
◆その他自動車企業の動向:
・三菱自動車北米は6月、米国本社を年末までに南カリフォルニアからテネシー州フランクリンに移転すると発表。
・メルセデス・ベンツUSAはアトランタに新しい本社を開設
マクラーレンは、役員が数年前に会社の移転場所を探し始めたとき、研究を行い、アトランタとダラスの2つの提案でした。
「もう少し詳しく調べてみると、ダラスは中心部に位置していることの方が理にかなっています」と言い、ニューヨーク市からのフライトに比べてダラスから自動車メーカーのディーラーへの飛行時間が短いことを指摘しました。
「このダラスで技術トレーニングと販売トレーニングの両方を提供します。したがって、ディーラー、販売および技術者が出入りするのに最適な場所です。」
今回は以上でしたが、いかがでしたか?
今回は、主に3社(①JPモルガンチェース、②ファニーメイ、③マクラーレン)の北ダラスへの移転についてお伝えしました。
まとめ
・JPモルガンチェース、ファニーメイ、→共にプレイノ(北ダラス)へ
・マクラーレン社→コッペル(北ダラス)へ
・NY州マンハッタンから北ダラスへの移転が増えている傾向
・北ダラスがアメリカのハブ地として移転してくる。特に、ダラス郊外のプレイノやその周辺である
・JPモルガンやファニーメイ、フレディマック、大手保険会社(リバティミューチュアル:米国で3番目に大きい損害保険会社)
・プレイノや周辺に巨大企業や金融関係が進出しています。北ダラスの中でも特別なエリア(ハブ地)になると思われます。
・住宅や物価、生活費が比較的安いので、生活の質を求めて企業も人も北ダラスへやって来る。(税金も安い)
法人税ゼロで、広いオフィス、こういう企業がこれからもやって来ると感じています。引き続き、大手企業の北ダラス移転の動向を見てまいりたいと思います。
北ダラスへ進出している(日米)法人リストについてはこちらをご覧ください。
この記事へのコメントはありません。