【従業員6,500人】景気後退が来る前に、NYマンハッタンからプレイノへ引越した超巨大企業の移転成功モデル

こんにちは、杉原です。

コロナウィルスがきっかけで、人だけでなく、企業も引っ越しを余儀なくされてくると思います。

以前、プレナビで紹介させてもらったNYのマンハッタンの超巨大企業が、景気後退の準備として、コロナウィルス蔓延の前にすでに引っ越しをしていました。

前回の記事をご覧の方はご存じだと思います。

その企業の名は。。。

★不景気を想定して、コスト削減のために移転をしていた巨大企業

景気後退対策のために準備で引っ越しをした企業!!・・・・・

それは、JPモルガンチェース銀行です。


テキサス州プレイノ市に大規模で移転したJPモルガンチェース銀行。

まずは、こちら以前、プレナビで取り上げた際の文章を見てください。↓

JPモルガンチェースはダラス郊外のプレイノに計6,500人規模の従業員を収容できる新しい建物も静かに建設し、すでに(当時)テキサス州内に2500人の従業員がいます。2,500人+追加4,000人

引越しの理由は、様々ですが、次回の不況が発生した場合、銀行は金融嵐を乗り切るために低コストのハブに事業を移す明確な選択肢を持っているようです。

そして、プレイノが次の本社になる可能性があると述べました。「テキサスには、ニューヨーク以外のどの州よりも多くのJPモルガン・チェースの従業員がいまして、まもなく1位になると思います。」とJPモルガンの上層部は言いました。

「ロケーション変更は単にコストだけに関するものではありません…クライアントにより良いサービスを提供するためなどの理由も」

NYで会社を経営するためのコストは、過去10年間で急騰し、NY市内の規制と税金は国内で最も高いものの一部です。

次の景気後退の前に銀行を合理化するための対応です。この様に、ビジネスの次の大きなトレンドについては、ウォール街の銀行はすでに全国の低コストの金融ハブへのNYからの出口計画を立てています。

コロナによる経済危機(景気後退:リセッション)という意味では、JPモルガンチェースの予測が当たったのです。コロナ自体というよりも、今後の景気が減速するという予測が見事あたったのです。もちろん運もあるでしょう。

★2019年11月2日のプレナビの記事はこちら(コロナ前)

こちらは以前2019.11.2の記事で紹介したものですが、JPモルガンはこれを予想していたのかは分かりませんが、NYに集中するのをコストやその他の面でリスクといち早くとらえ、テキサス州プレイノへ引っ越ししました。2017年に引っ越しが行われました。ほぼトヨタ本社移転と同じ時期ではないでしょうか。

トヨタの移転理由とは違い、JPモルガンチェースは、次の景気後退が来ることに備えるため、税金面、(NYなどでの固定費・人件費など)コストを抑えるために移転していたのです。非常に理にかなった移転理由だと思います。

画像の右上の黄緑色の部分が移転してきたJPモルガンチェース銀行。左が北米トヨタ本社。

JPモルガンチェースは、プレイノでは、現在ではオフィスはすでに稼働しており、今回のコロナの前に予測して、金融パニックに陥る前に打ってでたのです。NY依存型からの脱却で、非常に良い例です。

【流れ】:
2017年9月:プレイノの新オフィスに2,000名の従業員を配置。(将来は、6,500名の従業員が働くことに)
2019年第二四半期:全ての完全移転作業完了
2020年3月頃~コロナウィルスがNYに蔓延

移転は、コロナの前の、すごいタイミングで行われました。

今後も、この様な企業が次々に引っ越しを検討し、徐々に引っ越していくでしょう。コロナウィルスの影響で、収益が悪化し、税金を納めるだけでもかなりの負担だと思います。

そこで、長期的なコスト削減のため、法人税0%のテキサスに引っ越してくる企業もかなり増えると思います。

企業は、一時的な引っ越し費用はかかりますが、法人税0%の州へ引っ越した方が、今後の税金面のコストを考えて、安い可能性もあります。

そして、企業だけでなく、東海岸の住民がコストが高いエリアから、まだ生活コストが低めのダラスやテキサスへ移動することで、人口がさらに増えると思います。

参考記事:

ーーーーーーーーーーーー

以下 bloomberg社の記事
2019年10月29日より引用

ニューヨークは世界の金融センターとして200年以上にわたり君臨してきたが、
JPモルガンは同市で勤務する行員数を粛々と減らしている。

同行の戦略を知る関係者によると、将来の景気下降局面に備えてコスト抑制を進めるため、他の複数の拠点を拡充しており、数千人をニューヨークから他の都市に移転させることを検討している。

選択肢の一つは、JPモルガンのバンカーやトレーダーが長らく主要な拠点としてきたマディソン街383番地の投資銀行部門本部を売却することだ。

同行幹部らは、テキサス州プレイノやオハイオ州コロンバス、デラウェア州ウィルミントンなど比較的コストが低い拠点にどの役職を移すことが可能か近く決定する見通しだ。

投資銀行と資産運用部門でまず対象となりそうなのは顧客と対面する業務のないバンカーらだが、ジュニアレベルのインベストメントバンカーも対象に入るかもしれないと、複数の関係者は述べた。

事情を知る関係者によると、JPモルガンはクレジットリスク関連業務の数百人をニューヨークからテキサスに移し、リテール銀行業務のシニアレベルの一部もテキサスに置く計画をすでに策定。

コンプライアンス業務においてもニューヨークがもはや拠点ではなくなると、
一部行員に通知済みだという。

ニューヨークやその周辺から低コストの他都市に従業員を移す動きは、他の大手銀行や資産運用会社でここ数年にみられている。

ゴールドマン・サックス・グループはソルトレークシティーに拠点を構築し、
ドイツ銀行はフロリダ州ジャクソンビルの拠点を拡大。アライアンス・バーンスタイン・ホールディングは昨年、テネシー州ナッシュビルに法人本部を移転する計画を発表した。

★コロナウィルス収束後、アメリカ大企業の引っ越しが始まる???

今後は、リモートワークの促進や、さらなる企業が移転する方向性が出てくると踏んでいます。

恐らく、引き続きカリフォルニア州、シカゴ、その他の州からテキサスやダラスへやってくる可能性は高いことでしょう。

そして、今回は、今までの流入とは別で、NYやアトランタ、フロリダなどの東海岸からもテキサスやダラスにやってくる数も増えていくと感じます。

まず、コロナ前では、ダラス・フォートワース圏(DFW)には、一日300~400人近くの人がやって来ているとう驚くデータがあります。テキサスへ引っ越す人が非常に多く、全米でも1,2位の流入です。

そして、今回のコロナで、東海岸では非常に多くの人々が感染し、亡くなられた方も非常に多かったです。

今後、コロナも収束し、通常の状態に戻れば、またもとのように、テキサスやダラスへ人口が流入していくと考えています。

あと、なぜ、NYや東海岸の人たちがテキサスやダラスにやってくるかということですが、まず、東海岸の大手企業が相当な経済的ダメージを受けていますし、これからもっとダメージを受けるでしょう。世界恐慌を超えるレベルとも言われています。

その中、NYは税金が高いエリアで、しかも、売上や利益は激減です。このまま企業はNYにいては固定費や税金のコストがかかりすぎてしまいます。

そして、元のNY経済に戻るにも時間とコストが膨大にかかるでしょう。今回のコロナの影響でオフィスの必要性が薄れ、マンハッタンのオフィス事情も悪化すると思います。

そして、残念ながら、また将来、別の様なウィルスが入って来るでしょう。我々は、ウィルスに完全に勝つのではなく、ウィルスと付き合っていく時代になるのかもしれません。

そのため、次回のウィルス対策をしていない企業や行政は、また同じ様な打撃を受けるでしょう。

そうならないためにも、このコロナ被害を受けている最中、特に民間企業は移転を検討していくでしょう。企業は移転の決断が早ければ早いほど、コストは減らせると感じます。

ポイント:企業はどこへ移転したいか?

①州税が無いところ(または安いところ)、
②家賃や物価など固定費が安いところ、
③(法人にとっては嬉しい)ビジネスがしやすい州、
④今回のウィルス被害が少なく、その対策がされているところ、
⑤土地がまだあるところ(まとまって手にできるところ)
⑥この機会に、法人税が無い州に本社移転する企業も増えてくるかもしれません。
⑦今までの文化も、時差もあるため、いきなり東海岸→西海岸へと真逆のエリアには行きにくいと考えられる

【参考】ダラス周辺には、色々な巨大企業が来ております。特に北ダラスが非常に多いです。

①トヨタ自動車(自動車)、
②NTTデータ(通信)、
③AT&T(米国最大手の通信会社)、
④JPモルガンチェース(銀行)、
⑤チャールズシュワブ(証券):サンフランシスコから本社移転
⑥リバティーミューチュアル(米国3位の損保)、
⑦アメリカン航空(世界1位の航空会社)
⑧PGA(ゴルフ協会):フロリダから移転

是非、今後、あなたも、西海岸や東海岸にあるアメリカの大企業の動向を見てみてください!今後も企業の移転や人々の引っ越しで動きがありそうです。

今回は、以上になります。最後まで見ていただきありがとうございます。

関連記事はこちら:

JPモルガンチェースの引っ越し(過去の記事)

・アフターコロナ)人や企業の大移動が起きる

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